漆黒の炭化焼成2015

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漆黒の化焼成

焼き上がったばかりの炭化作品。全体にかなりの炭素が入り込んだことが確認できる

焼き上がったばかりの炭化作品。全体にかなりの炭素が入り込んだことが確認できる



いちばん下に詰めた動物小物の焼成前(左)と焼成後

いちばん下に詰めた動物小物の焼成前(左)と焼成後


さや鉢による炭化焼成が普及しているが、焼締還元電気炉では全体がかなり深い黒色になる。熱線をセラミックボードで完全にカバーしているため、窯を傷めることなくかなりの炭素を素地に供給することができるからだ。

*器などの制作:浅野武男、大石橋宏樹、吉田貢

窯詰め

通常の炭化焼成は、さや鉢の中に作品とともに籾殻や炭などを詰めて焼成するが、焼締還元電気炉ではさや鉢の外にも詰める。さらに、焼成中にはさや鉢の外に炭を継ぎ足す。こうすることによりさや鉢の中に多量の炭素が絶えず供給され、それが深い黒色の焼き上がりを可能にする。
一方、さや鉢の中に詰める炭は、作品に触れないように配置した。全体を均一な炭化色にするためだが、変化をつけたいときは、炭や貝殻などをくっつけて窯詰めすることをおすすめする。


90-02 90-03 空気穴に炭などが入り込まないように道具土などでガードしてから、炉床の壁際に大きめの炭を詰め、四隅には棚板を載せるサイコロ支柱を置く
90-04 90-05 細かな炭やコークスを炉床に敷き詰めてから、サイコロ支柱に棚板を載せる。さらにその上に、さや鉢を載せるサイコロ支柱を数個円形状に配置する。さや鉢は底のないものを使用し、底の隙間から炭素を呼び込む
90-06 90-07 さや鉢のいちばん下に動物の小物を詰め、その上に棚を組んで壺や花入を配置する
(*ここでは便宜的に底のあるさや鉢で、窯詰め状況を再現している)
90-09 90-10 炭がさや鉢の中に入らないようにするためと、さや鉢の底から入り込んだ炭素を封じ込めるために蓋をしてから、さや鉢の周辺と蓋の上は炭やコークス、あるいは炭の粉を隙間なく詰める
 

焼成と焼き上がり

焼成時間は全体で44時間。備前土を使用したので、950度までは34時間掛けてゆっくりと上げた。さらに5時間で1,240度まで上げ、そのまま5時間キープして焼成を終了した。
炭化の焼き上がりを左右するのは炭から発生する炭素の量。それを多量に生成するため、空気穴と上蓋の穴は最後まで締めたままで焼成する。さらに、950度、1,240度と焼成の最後には炭を継ぎ足す。このように焼成することにより、素地の芯近くまで炭素が入り込み、深い黒色による炭化作品が焼き上がった。
91-09 91-08 完璧な焼き上がりの小物と壺。表面がガラス化して光るのは粘土の違いによる

右より2.5割ほど低い花入。2〜3割の余裕のある高さのさや鉢を使用すれば、ほぼ全体を均一の濃さに焼き上げることができる

右より2.5割ほど低い花入。2〜3割の余裕のある高さのさや鉢を使用すれば、ほぼ全体を均一の濃さに焼き上げることができる


底の周辺がやや薄いのは炭素の通り道となったため。また口の近くも同様の焼き上がりが見えるのは、蓋にすれすれに詰めたためと考えられる

底の周辺がやや薄いのは炭素の通り道となったため。また口の近くも同様の焼き上がりが見えるのは、蓋にすれすれに詰めたためと考えられる


全体がほぼ均一の黒さになった鶴首。球体のほうがムラなく焼き上がるようだ

全体がほぼ均一の黒さになった鶴首。球体のほうがムラなく焼き上がるようだ

「P13-PEB335K-1Z」

焼締還元電気炉

<P13-PEB335K-1Z>
*サイズ:340×340×500mm
*電 源:単相200V/5kW
*常用温度:1,300度
*価 格:780,000円(本体)

<C13-PFG555K-2Z>
*サイズ:490×490×500mm
*電 源:単相/三相200V/10kW
*常用温度:1,300度
*価 格:1,500,000円(本体)

<C13-PFG775K-2Z>
*サイズ:680×680×500mm
*電 源:単相/三相200V/20kW
*常用温度:1,300度
*価 格:2,300,000円(本体)

◎製造・販売:(株)誠興電機産業 電気炉事業部
〒709-0463 岡山県和気郡和気町田原上960-2
電話:0869-93-0398 FAX :0869-93-3312