南蛮を焼く
温度管理がラクで、炭を継ぎ足すことができる焼締還元電気炉は、やや低い温度で長時間焼成されることが多い南蛮焼にも威力を発揮する。使用した粘土は、信楽・精土の南蛮土1号。
緋色を出すために、メーカー指定よりも低い焼成温度で試みた。
焼き上がりー1,050度の場合
投入した炭が完全に燃え尽き、炭が当たらなかった部分は、予定どおり緋色に焼き上がったが、焼成温度によって差が出た。
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| 胴の緋色が鮮やかなうえに柔らかい。藁や炭が当たった部分はほどよい焼締になっている | 左が炭に当たり、右が当たらなかったぐい呑。緋色が広く鮮やかに出た | 1,130度よりも焼き上がりが柔らかい |
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1,050度より緋色が淡くなり、炭が載った一部には艶が出ている。緋色が飛び、自然釉が熔けるほどの温度になったことが確認できる |
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緋色が淡いうえに、炭がほどよく燃えたところが強く出ている。また、炭がおきっぽかった部分は窯変している |
窯に詰めて焼成する
途中で投入する炭が、作品に掛からなくなるおそれがある作品には、あらかじめ藁（わら）を巻いたり載せたりした。また、一部に灰釉を掛けた。焼成は、最高温度が1,050度と1,130度の2通りを行った。ともに昼頃から焚き始め、翌朝の20時間後に950度まで、さらに朝、昼、夕方の3回、各4kgの炭を投入しながら、夕方には1,050度か1,130度に上げる。炭を投入する日中は、空気孔を全開にし、上蓋中央に煙突を立てて炭を燃やす。炭を投入しない夜間は、上蓋中央の穴と空気孔を4分の1に狭める。
この焼成を1,050度の場合は3昼夜、1,130度の場合は2昼夜繰り返した。その後は15時間で950度まで落とし、その温度を4時間キープした。温度を下げ始めてから焼成終了までは空気孔を全開にし、上蓋右後の穴に煙突を立て、対角の穴を4分の1ほど開けた。
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炉床に配置したサイコロ支柱の上に穴の空いた棚板を載せ、その四隅に藁を挟んだぐい呑を伏せて重ねた。ぐい呑の側にはL型支柱やサイコロ支柱を配置し、サイコロ支柱の上には小さな棚板を載せた |
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小さな棚板の上に穴の空いた棚板を載せ、その四隅に横にした徳利を詰めた。徳利の間には、立てたぐい呑や伏せたぐい呑を詰めた。要所を道具土で留めたりおおったりして、「ぼた餅」模様の形状をアレンジした |
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中央に置いた棚板に道具土を敷き、その上に詰めた壺は藁でおおった。窯詰め後、焼成を開始 |
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炭を投入する日中の焼成。煙突から焔が上がり、還元状態になっているのが確認できる | |
焼締還元電気炉
＜P13-PEB335K-1Z＞
＊サイズ：340×340×500mm
＊電 源：単相200V/5kW
＊常用温度：1,300度
＊価 格：780,000円（本体）
＜C13-PFG555K-2Z＞
＊サイズ：490×490×500mm
＊電 源：単相/三相200V/10kW
＊常用温度：1,300度
＊価 格：1,500,000円（本体）
＜C13-PFG775K-2Z＞
＊サイズ：680×680×500mm
＊電 源：単相/三相200V/20kW
＊常用温度：1,300度
＊価 格：2,300,000円（本体）
◎製造・販売：（株）誠興電機産業 電気炉事業部
〒709-0463 岡山県和気郡和気町田原上960-2
電話：0869-93-0398 FAX ：0869-93-3312
