珠洲焼復興40周年記念 篠原敬 中山達磨 山田睦美展 in 柿傳ギャラリー 2019

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珠洲焼復興40周年記念 篠原敬 中山達磨 山田睦美展

2019年5月17日(金)〜23日(木)

柿傳ギャラリー
新宿区新宿3-37-11 安与ビルB2F
03-3352-5118

中山達磨 高さ9.5cm、径13cm


篠原敬 高さ27cm、径12.4cm


山田睦美 高さ10.2cm、11×10.2cm

須恵器の陶技を受け継ぎ窖窯で焼き締められた珠洲焼は、12世紀後半の平安末期から能登半島の先端、珠洲(すず)で焼かれた。14世紀には日本列島の4分の1に流通するほど隆盛を極めたが、15世紀末の戦国時代にはっきりとした理由が分からず姿を消した。
それから約400年の1976年、珠洲市が復興を開始。89年には石川県の伝統的工芸品の指定を受け、現在は叩き紋、綾杉紋、印花紋、秋草紋などが施された珠洲古陶の伝統に、現代の技を加えた酒器、茶器、食器、花器、置物などが制作されている。土は同地域から採れる陶土を主原料に、同地域内に由来する強還元炎による焼締焼成を基本とする。
現在は18の窯元が珠洲焼に取り組んでいるが、本展は復興40周年の立役者・中山氏、地元をこよなく愛する篠原氏、若手女流の山田氏による三人展。

Takashi Shinohara 
1960年 石川県珠洲市生まれ
1995年 游戯窯(ゆげがま)を築窯して独立
2012年 石川県伝統工芸士に認定
Tatsuma Nakayama
1952年 石川県金沢市生まれ 
1982年 珠洲飯塚窯開窯
2013年 石川県伝統産業優秀技術者・功労者表彰
Mutsumi Yamada 
1976年 石川県珠洲市生まれ
2004 6年 珠洲焼を始める
2012年 茶の湯の現代−用の形−入選(菊地寛実記念 智美術館)



The備前―土と炎から生まれる造形美―展

2019年514()630()
益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子
栃木県芳賀郡益子町大字益子3021
0285-72-7555

2019年2月22日(金)〜5月6日(月)
東京国立近代美術館工芸館
千代田区北の丸公園1-1
03-5777-8600

備前市伊部地域を中心に焼かれてきた備前焼は、焼締陶ながら他の産地にはない窯変、緋襷、牡丹餅、胡麻、桟切などの多彩な景色を生み出してきた。こうした薪窯による焼成で生まれた景色は、桃山時代に茶人・数寄者によって見立てられ、さらにその再興に取り組んだ近代の陶芸家に受け継がれた。そして現在の備前では、先達から受け継いだ技術を生かした新たな備前焼が焼かれている。
本展ではこうしたシンプルながら多彩な表現の備前焼を、古備前約40点、重要無形文化財保持者を含む近代の陶芸家の作品約40点、現代の備前焼約60点で、3部構成で紹介する。

Ⅰ章:源流としての備前焼-茶の湯のうつわを中心に-

「三角花入」桃山時代 個人蔵


「矢筈口耳付水指」桃山時代 個人蔵


「徳利  銘 トシワスレ」桃山時代 個人蔵

中世以降、壺、甕、擂鉢などの生活雑器を焼く体制が確立された備前では、桃山時代に入ると茶の湯のうつわをつくるようになった。それらは釉薬を一切使わないものの、土と炎と造形による独自の美観を生み出し、茶人たちに愛された。ここでは、室町後期から江戸初期に焼造された水指、花入、茶入、手鉢などの茶陶の名品をはじめ、壺や陶板などの生活雑器や窯道具などをあわせた古備前約40点を展覧する。

Ⅱ章:近代の陶芸家と備前焼-写しと創作-

金重陶陽「備前耳付水差」1958年


伊勢﨑満《窯変耳付花入》1990年頃


金重素山「緋襷重餅水指」

桃山時代に焼造された茶の湯のうつわに魅力を感じ、その美観を自身の作品に取り込もうとした陶芸家・金重陶陽の登場により、備前焼の人気は一気に高まった。
ここでは、備前焼で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)となった金重陶陽の優品とともに、金重陶陽と同様に古備前に魅せられ、その継承と研究に心血を注いだ藤原啓、山本陶秀、藤原雄らの人間国宝や、金重素山、伊勢﨑満をはじめとする近代作家の作品を併せた約40点を紹介する。

Ⅲ章:現代の備前焼-表現と可能性-

伊勢﨑淳「風雪」2015年


金重晃介《聖衣》1994年


隠崎隆一

現在の備前では、近代の陶芸家が確立した備前焼を乗り越え、新たな備前焼を生み出そうと果敢な試みを行っている。「備前焼とは何か」を意識しつつ、独自の素材、ユニークな造形により、新しい表現とその可能性を様々な角度から追求し、古典にはなかった個性的な作品が生み出されている。伊勢﨑淳、森陶岳、島村光、金重晃介、隠﨑隆一、金重有邦、伊勢﨑創、矢部俊一、伊勢﨑晃一朗らの作品を約60点展覧する。

*トップ作品:金重陶陽「備前三角擂座花入」1954年

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