一倉窯の古窯式登窯

カテゴリー: 有田築炉のしごと.

一倉窯の古窯式登窯





作品の出し入れ口は焚き口の右手にあり、排気孔は「蜂の巣」状になっている
薩摩焼は、乳白色の生地の「白もん」と鉄分の多い素地の「黒もん」に大別される。薩摩半島の喜入一倉にある登窯も黒もん窯の一つで、400年もの間黒も黒千代香をはじめとする生活雑器を焼いてきた。
再築された一倉窯の登窯は4室からなり、江戸期に始まる古式の窯の姿をそのまま伝えている。

① 緩やかに傾斜していた古い窯の床をならす


② 焚き口を区切り、大口の周囲にレンガを積む


③ 1室と2室の床にレンガを積み、大口と1室の間に狭間をつくる


④ 焚き口をレンガでアーチ状に組む


⑤ 3室4室の床にレンガを積み、各室の境に狭間をつくる


⑥ 大口の床にレンガを敷いてから、全体にレンガを積む


⑦  1室の作品出し入れ口をアーチ上に組み、反対側に小口を設ける


⑧  2〜4室にも同様に、作品出し入れ口と小口をつくる


⑨   1室をレンガでおおう


⑩ 焚き口を石で組み、2室全体をレンガで組む


⑪ 排気孔をレンガで区切り、「蜂の巣」状にする


⑫  3室、4室の上部にレンガを組む




⑬ レンガ組みの完了


⑭ 腰部に土を塗る


⑮ 上部に土を塗って完成