土魂(つちだま)の個展 十一代大樋長左衛門(年雄) in 日本橋髙島屋 2024

カテゴリー: 陶芸最前線.

 

深化する九谷〜躍動マッハ〜

2024年6月12日(水)〜18日(火)
三越日本橋本店 美術画廊
中央区日本橋室町1-4-1
03-3274-8472

約400年に始まる九谷焼は、石川県加賀市九谷の地で誕生した。鮮やかな色彩と繊細な絵付で独自の美を築いてきたが、その歩みは九谷焼の伝統を受け継ぎながら、新たな表現を模索する歴史でもあった。近年はとくに若い作家による斬新な作品が次々と登場し、注目を集めている。
同画廊で開催されてきた「進化する九谷」は今回で3回を数え、石川県立九谷焼技術研修所における「令和5 年度デザイン支援事業」において、陶芸家・中村卓夫及び金沢美術工芸大学デザイン科教授畝野裕司に学んだ5作家による展覧会。
タイトルの「躍動マッハ」には、作品に宿る躍動感や独創性を表す。ものづくりに対する探究心や熱意は、マッハのようなスピード感や壁を打ち破るような勢いがあり、また、魅力的でわくわくする心躍るものをつくりたいという思いが込められている。
伝統的な技法に現代的な感覚を取り入れた、個性豊かな作品150余点の展覧。



板橋茉里《幻夢藍華》高さ11cm、11×11cm
2010年 スクール・オブ・ヴィジュアルアーツ(NY)卒業
2018年 石川県立九谷焼技術研修所実習科(加飾)修了
2022年 第49回石川県デザイン展工芸デザイン部門石川県商工会連合会会長賞受賞
2023年 石川県立九谷焼技術研修所実習科(造形)修了


1-1中川由加里《虫日和、菊花に集う》高さ30cm、19×16cm
2001年 上越教育大学卒業
2005年 金沢卯辰工芸工房修了
2018年 石川県立九谷焼技術研修所実習科(加飾)修了
2023年 石川県立九谷焼技術研修所実習科(造形)修


根石和美《秞漆寧色「浮雲」抹茶碗》高さ8cm、11×11cm
石川県立九谷焼技術研修所実習科修了
2015年 作家活動を開始


スズキヨウコ《ラフ襟のコブレット》高さ20cm、20×20cm
2013年 石川県立九谷焼技術研修所本科修了


《タコ猫招き杯》(杯)高さ19cm、5×5cm 
(タコ)高さ13.5cm、5×5cm
2013年 石川県立九谷焼技術研修所本科修了
(パーマネントコレクション選定)
2014年 石川県立九谷焼技術研修所研究科修了

 



土魂(つちだま)の個展 十一代大樋長左衛門(年雄)

2024年6月5日(水)〜10日(月)
日本橋髙島屋 美術画廊
中央区日本橋2-4-1
03-3211-4111

1958年十代大樋長左衛門(年朗)の長男として金沢に生まれる。ボストン大学大学院で陶芸を学び、帰国後は大樋焼の窯元に入り十代の許で「伝統と革新」の二面性を持つ作品の数々を発表。
1990年現代美術展最高賞、2000・02年日本現代工芸美術展現代工芸賞、02・05年日展特選、15年日本現代工芸美術展内閣総理大臣賞、18年日本現代工芸美術展文部科学大臣賞、19年回改組新日展東京都知事賞、21年日展文部科学大臣賞、23年恩賜賞・日本芸術院賞などを受賞。
2016年に十一代を襲名したが、24年元旦に発生した能登半島地震で、制作中の作品や展示予定の作品だけでなく、先代の作品も数多く失った。深い喪失感に襲われながら残された破片から聴こえる声に耳を傾けて作陶を再開し、様々な茶盌の破片を繋ぎ合わせて焼成し、一つの新たな作品として蘇らせた作品も制作。さらに、大樋家伝統の黒や飴秞の茶盌をはじめ、当代ならではの窯変や、漆喰によるペインティング、近年のシンガポールでのコミッションワークから想を得た禅の円相を立体化したイメージの金属のオブジェなど、十一代魂の表現ともいうべき新作の数々の展覧。
なお同画廊で8日午後3時から、ギャラリートークが行なわれる。



《大樋転生茶盌》高さ7.8cm、径14.2cm


《大樋転生茶盌》高さ8.3cm、径12.3cm

 



蔵出し展-現代工芸作品を中心に-

2024年6月6日(木)〜15日(土)
赤坂游ギャラリー
千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ザ・メインロビィ階
03-6261-1124

日本の伝統工芸作品に深い愛情を注いできた電設会社経営者の収集品による展覧会。
青磁を極めた岡部嶺男、初の帝室技芸員であった初代諏訪蘇山、重要無形文化財「青磁」の保持者・三浦小平二、アメリカで活躍した色彩鮮やかな高鶴元、カットガラスの白幡明、染付の重要無形文化財保持者・近藤悠三、現東京芸大准教授で蒔絵の小椋憲彦などによる当ギャラリーでの展覧会でコレクトした作品がほとんどで、高齢で独り暮らしのために手放すことになった。工芸愛好家にとっては、一人のコレクターとしての足跡をたどる絶好の機会。



板谷波山《観音聖像》高さ10.6cm、7×5.4cm


三浦小平二《青磁地中海 小瓶》高さ7.5cm、径5.6cm

 



明石庄作陶芸展

2024年6月1日(土)〜6月16日(日)
やまに大塚 ギャラリー緑陶里
栃木県芳賀郡益子町城内坂88
0285-72-4789

1946年栃木・益子町に生まれ、62年濱田庄司に師事。20年にわたり濱田窯で研鑽を積み、81年益子町道祖土に窯を築き独立。
87年国展工芸部新人賞を受賞し、96年国画会会友となる。98年栃木県文化奨励賞を受賞し、2011年作陶50周年陶芸展(東武宇都宮百貨店)を開催。
濱田の流れを汲む青磁、刷毛目、塩釉、鉄釉、流し掛け、印花、上絵付けなどを展開し、益子焼の多彩な伝統を継承しつつ独自の技法を極めた70余点の展覧となっている。



《掛合土瓶花生》高さ34.5cm、径21cm


《花紋土瓶花生》高さ37.5cm、径26cm


《塩釉花紋壺》高さ37cm、径40cm


《重焼紋打壺》高さ38cm、径38cm


《紋打花紋壺》高さ53cm、径41cm


《塩釉花紋壺》高さ57cm、径43cm



走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代

2024年4月20日(土)〜9月日(日)
菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
03-5733-5131

1948年に京都の陶芸家八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人で結成され、前衛陶芸家集団として戦後日本の陶芸を牽引した走泥社は、中国均窯の釉調にみられる蚯蚓(ミミズ)が泥をはった跡の曲がりくねった線状模様の「蚯蚓(きゅういん)走泥文」から名付けられた。いわゆる器ではなく、立体造形として芸術性を追求した陶芸作品いわゆる「オブジェ焼」を創り出した。
本展では結成25周年となる1973年までに焦点をあて、25年の間に同人であった42名のうち作品が残る32名の制作をとおし、その活動を展示する。走泥社の前衛性が特に活動期間の前半に顕著なためで、同時に同時期に展開された他の前衛陶芸活動や日本の陶芸に影響を与えた海外の作品を資料などにより紹介する。
なお、本展は3章構成となって、当館では1章と2章を前期、3章を後期として会期中に展示替えを行うとともに講演会なども企画されている。

<1章>
器の形態を立体造形として自立させようと模索する走泥社最初期の作品の紹介。この時期の制作には、中国や朝鮮半島の陶磁器にもとづく様式や技術を基盤にしつつ、器体をカンバスに見立てたようなパブロ・ピカソの陶器や絵画、イサム・ノグチのテラコッタをはじめとする同時代の美術表現からの影響が見受けられる。陶芸界の伝統的な規範から離れ、絵画的な文様表現で自身の抱くイメージを現し、あるいは陶磁器が持つ造形上の要素を現代の造形に昇華させようとした点に走泥社の前衛意識が窺える。
<2章>
現在では陶のオブジェとは一般的に実用性のない陶の造形作品を指すが、当時は造形を通じた心象風景の表象と捉えられていた。2章では、前衛陶芸家たちが作者の内面性を表現する陶芸の在り方に創作の可能性を見出し、そのような制作が根付いていった時期の作品を紹介する。走泥社以外で活動していた有力な陶芸家たちが同人として合流し、それぞれの陶芸観にもとづく制作によって多様性ある前衛陶芸家集団として走泥社の骨格が定まっていった時期でもる。
<3章>
1964年に開催された「現代国際陶芸展」で海外の陶芸表現が初めてまとまった形で紹介されると、伝統や素材、技術の捉え方の違いから生じる異なる陶芸表現に日本の美術・陶芸界は衝撃を受け、動揺した。そして自己の創作を検証することで、心象風景の表象として始まった陶のオブジェが、前衛性を求めるだけでなく個々人の造形表現としての成熟へと向かっていった。
3章では、海外の制作が盛んに紹介されるなか、草創期からのメンバーと次世代の若手作家とが併存し、多様な造形表現が為されるようになった充実期の作品を紹介する。

◎講演会1「今、なぜ走泥社なのか」
大長智広(京都国立近代美術館主任研究員)
5月18日(土)15時から B1展示室
◎講演会2 「三輪龍氣生が語る走泥社前後の青春陶芸
三輪龍氣生(本名:龍作/十二代休雪、元走泥社同人)
聞き手=島崎慶子(当館主任学芸員)
7月13日(土)14時から B1展示室にて

◎学芸員のギャラリートーク 
いずれも土曜日、15時から
5月11日、25日/6月15日/8月3日



八木一夫《白い箱OPENOPEN》
高さ29cm、23×23cm 1971年 京都国立近代美術館


八木一夫《ザムザ氏の散歩》
高さ27cm、27×14cm 1954年 京都国立近代美術館


鈴木治《ロンド》
高さ43.5cm、19.5×19.5cm  1950年 華道家元池坊総務所


山田光《二つの塔》左高さ81.5cm、30×8.7cm
右高さ77.5cm、30.5×10.8cm 和歌山県立近代美術館


藤本能道《日蝕》
高さ52cm、38.5×26cm 1957年 京都市立芸術大学芸術資料館


宮永理吉《パイプ》
高さ26cm、18×14.5cm 1972年 広島県立美術館


三輪龍作(龍氣生/十二代休雪)《愛の為に》
高さ17.5cm、27×8cm 1968年 国立工芸館


林康夫《ホットケーキ》
高さ18cm、33×32cm 1971年 和歌山県立近代美術館



リニューアルオープン記念特別展
「シン・東洋陶磁-MOCOコレクション」

2024年4月12日(金)〜9月29日(日)
大阪市立東洋陶磁美術館
大阪市北区中之島1-1-26
06-6223-0055

1982年に開館した大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO=モコ)は、世界に誇る安宅コレクションや李秉昌コレクションを中心に、各時代の陶磁器による日本陶磁コレクション、鼻煙壺の沖正一郎コレクション、現代陶芸コレクションなどで構成されている。
約2年間の改修工事により、エントランスホールの増改築をはじめ、展示ケースの改修やLED照明の更新などの展示環境を整備し、さらに国宝「油滴天目茶碗」専用の独立ケースを導入し、リニューアルオープンを迎えた。記念特別展のタイトルの「シン」は、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験をという三つの願いが込められており、国宝2件、重要文化財13件を含む珠玉の東洋陶磁コレクションなど約380件が展示される。
とくに、透明度の高い高透過ガラスによる専用展示ケースにおさめられ、360度から鑑賞できる国宝「油滴天目茶碗」は、碗の内面を浮かび上がらせるスポット照明と紫励起LEDによるベース照明がなされ、同作品の美しい斑文と繊細な光彩を浮かび上がらせている。さらに映像ルームにおいては、ハンズオンコントローラーにより4Kモニターに投影される高精細3DCGを好きな角度から見ることができるようになっており、国宝の新たな魅力に出会うことができる。



国宝《油滴天目茶碗》高さ7.5cm、口径12.2cm  南宋時代・12-13世紀  建窯
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)写真:六田知弘(以下同)


国宝《飛青磁花生》高さ27.4cm、径14.6cm 元時代・14世紀  龍泉窯
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)


《青磁瓜形瓶》高さ25.7cm、径10.6cm 高麗時代・12世紀前半
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)


《青磁水仙盆》高さ5.6cm、22×15.5cm
北宋時代・11世紀末-12世紀初  汝窯
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)


《粉青粉引簠》高さ13.6cm、22×31cm 朝鮮時代・15世紀 
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)


《青花鯉文扁壺》高さ24.1cm、21.5×11.1cm 朝鮮時代・16世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(安宅昭弥氏寄贈)


《青花虎鵲文壺》高さ44.1cm、径34.2cm 朝鮮時代・18世紀後半
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

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