漆黒の炭化焼成
さや鉢による炭化焼成が普及しているが、焼締還元電気炉では全体がかなり深い黒色になる。熱線をセラミックボードで完全にカバーしているため、窯を傷めることなくかなりの炭素を素地に供給することができるからだ。
*器などの制作:浅野武男、大石橋宏樹、吉田貢窯詰め
通常の炭化焼成は、さや鉢の中に作品とともに籾殻や炭などを詰めて焼成するが、焼締還元電気炉ではさや鉢の外にも詰める。さらに、焼成中にはさや鉢の外に炭を継ぎ足す。こうすることによりさや鉢の中に多量の炭素が絶えず供給され、それが深い黒色の焼き上がりを可能にする。
一方、さや鉢の中に詰める炭は、作品に触れないように配置した。全体を均一な炭化色にするためだが、変化をつけたいときは、炭や貝殻などをくっつけて窯詰めすることをおすすめする。
焼成と焼き上がり
焼成時間は全体で44時間。備前土を使用したので、950度までは34時間掛けてゆっくりと上げた。さらに5時間で1,240度まで上げ、そのまま5時間キープして焼成を終了した。炭化の焼き上がりを左右するのは炭から発生する炭素の量。それを多量に生成するため、空気穴と上蓋の穴は最後まで締めたままで焼成する。さらに、950度、1,240度と焼成の最後には炭を継ぎ足す。このように焼成することにより、素地の芯近くまで炭素が入り込み、深い黒色による炭化作品が焼き上がった。
完璧な焼き上がりの小物と壺。表面がガラス化して光るのは粘土の違いによる | ||
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焼締還元電気炉
<P13-PEB335K-1Z>
*サイズ:340×340×500mm
*電 源:単相200V/5kW
*常用温度:1,300度
*価 格:780,000円(本体)
<C13-PFG555K-2Z>
*サイズ:490×490×500mm
*電 源:単相/三相200V/10kW
*常用温度:1,300度
*価 格:1,500,000円(本体)
<C13-PFG775K-2Z>
*サイズ:680×680×500mm
*電 源:単相/三相200V/20kW
*常用温度:1,300度
*価 格:2,300,000円(本体)
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