萩焼を焼く 2019

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萩 焼 を焼く

薪窯のように焼成できる焼締還元電気炉で還元材を調整しながら、強還元を掛ける青萩から、中間的な雰囲気、酸化焔雰囲気までの萩焼に迫ってみた。
協力は、岡山・浅口市で三和窯を主宰し、茶陶を中心に約50年間制作にたずさわっている浅野遊雲さん。

●焼き上がり

還元が弱いときには浅い琵琶色に、普通程度の還元のときはメリハリのある琵琶色になり、還元材の影響がビビッドに現れた。白萩の場合は、還元が掛かると青白くなった。
ともには還元が弱く掛かった茶碗で、色の冴えがやや弱い白っぽい
ともに還元を中くらいに掛けた茶碗で、一部が片身替りになっている
透明秞を掛け、還元を中くらいに掛けて二度焼きした茶碗で、やや青っぽくなっている
メリハリのある強い琵琶色に焼き上がっている
左:白マット釉を斑に、しかも厚く掛けて弱還元で焼成すると、白さが際立つ

右:化粧土を厚めに掛け、やや強めの還元を掛けると、従来の萩焼とは異なった趣になる

 
●茶碗を挽き、釉薬を掛ける

素地は大道土、見島土、金峰土ブレンドの典型的な萩土。また、化粧土には大道土を加え、貫入4号の透明秞を掛ける。 一方、白マット釉を掛ける白萩も試みた。
鉄分のやや異なる萩土も含めて挽き上げられた茶碗
素焼きしてから、化粧土と透明秞を掛ける。白萩には白マット釉を掛ける
●窯詰めして、還元を掛けて焼く

9時間で900度まで上げてから炭を60g投入する。その後2時間で1,050度まで上げ、950度、1,000度、1,050度のときに、割り箸を3本ずつ投入して還元を掛ける。その間、上蓋穴は閉じ、下の空気穴を半分空ける(白萩の場合は割り箸を投入しない)。
その後1.5時間で1,180度まで上げ、そのときには上蓋穴に17φの煙突を差して空気穴は閉じる(白萩は1,220度まで上げる)。最後に同温度を20分キープして焼成を終える。
左:空気の吹き出し口を底のない円形のさや鉢で囲み、そのさや鉢に差した穴を空けた1段目の棚板に4個の茶碗を詰める

右2点:1段目に支柱を立て、その上に穴を空けた2段目の棚板を組み、その上に茶碗を詰める
左:900度のとき、細かく砕いた炭60gを上蓋穴から投入する

右:950度、1,000度、1,050度のときに、割り箸を各3本ずつ投入する
 


焼締還元電気炉
92-01_0101


<P13-PEB335K-1Z>
*サイズ:340×340×500mm

*電 源:単相200V/5kW
*常用温度:1,300度

*価 格:780,000円(本体)

<C13-PFG555K-2Z>
*サイズ:490×490×500mm

*電 源:単相/三相200V/10kW
*常用温度:1,300度
*価 格:1,500,000円(本体)

<C13-PFG775K-2Z>
*サイズ:680×680×500mm

*電 源:単相/三相200V/20kW
*常用温度:1,300度
*価 格:2,300,000円(本体)

◎製造・販売:(株)誠興電機産業 電気炉事業部
〒709-0463 岡山県和気郡和気町田原上960-2
電話:0869-93-0398 FAX :0869-93-3312