黒織部を焼く
酸化と還元の間を行き来する薪窯では、重厚な焼き上がりになることが多い。黒織部も同様の焼き上がりを狙い、炭や割り箸などの還元材を攻めどきに投入してみた。結果は上々で、中国黄土によると思われる秞の縮れも見られた。オリジナル釉薬の調合結果とともに、その焼成結果をレポートする。
焼き上がり
草木灰1に中国黄土4に対してベンガラの量が異なる黒秞を掛けたが、還元がきいているためか、黒秞の焼き上がりが総じて重厚だ。また、中国黄土を加えたためか、縮れができている。場所によっては、マット調にも焼き上がっている。釉掛けして、窯に詰める
黄瀬戸土と曽木もぐさ土を混ぜた粘土に、草木灰1、中国黄土4、ベンガラ(0〜100%)による黒釉を下掛けし、木灰と長石による透明釉を薄く上掛けする二重掛けを行った。炭や割り箸を投入するための丸いさや鉢を炉の中心に立て、その周囲にぐい呑詰めた。
素焼きしたぐい呑に黒秞を掛け、さらに透明釉を薄掛けする | ||
炉床中央の空気の取り入れ口を囲う丸いさや鉢の周囲に、サイコロ支柱を配置し、その上に焼き台を載せてからぐい呑を均等に配置した |
焼成と焼き上がり
合計6回焼成した。焼成時間は、最高温度1,230度の23時間(焼き上がり①)と、同1.240度の21時間(焼き上がり①以外)の2種で、最初に温度差による黒秞の熔け具合を推し測った。どちらも、9時間で60度まで上げ、その後6時間で900度まで上げた。900度に達してから炭を60g投入し、その後3時間(焼き上がり②③④⑤⑥)、または4時間(焼き上がり①)上蓋の煙突を閉じ、下の空気穴は半分開けた。と同時に割り箸を投入しているが、その投入と上蓋穴の開閉状況は焼き上がりを参照。
割り箸を投入する 炭は細かく砕き、900度のときに600g投入 |
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炉内に空気を送る下の空気穴 割り箸を投入しすると煙が立つ |
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焼成の③〜⑥では、真ん中に穴を開けた棚板に詰めて焼成 |
焼締還元電気炉
<P13-PEB335K-1Z>
*サイズ:340×340×500mm
*電 源:単相200V/5kW
*常用温度:1,300度
*価 格:780,000円(本体)
<C13-PFG555K-2Z>
*サイズ:490×490×500mm
*電 源:単相/三相200V/10kW
*常用温度:1,300度
*価 格:1,500,000円(本体)
<C13-PFG775K-2Z>
*サイズ:680×680×500mm
*電 源:単相/三相200V/20kW
*常用温度:1,300度
*価 格:2,300,000円(本体)
◎製造・販売:(株)誠興電機産業 電気炉事業部
〒709-0463 岡山県和気郡和気町田原上960-2
電話:0869-93-0398 FAX :0869-93-3312