中村卓夫・牟田陽日展 in 和光ホール 2021

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第8回 陶美展

2021年1月27日(水)〜2月2日(火)

日本橋髙島屋階美術画廊
中央区日本橋2-4-1
03-3211-4111

樋口邦春《青白磁潮流文花器》高さ24.5cm 42×40.5cm



2013年に設立された日本陶芸美術協会は、新たなやきものの道を切り拓くためにその表現を競う場として全国公募による「陶美展」を毎年開催している。今年で第8回目を迎えた同展の審査が2020年11月に行われ、最高賞の日本陶芸美術協会賞に、1969年生まれで奈良・生駒で作陶する樋口邦春氏の《青白磁潮流文花器》が選出された。海中の大きな潮のうねりを表現するために、轆轤の段階で生地自体に動きをつけてからの彫文装飾を試みた作品で、的確な表現が評価された。
樋口氏を含む入賞者13名の作品は、このサイトの「公募展結果発表」で紹介しているが、同展では入賞・入選者に加え、会員の人間国宝の作品も展示される。



薪窯展

2021年1月20日(水)〜26日(火)
日本橋髙島屋 美術
中央区日本橋2-4-1
03-3211-4111

2月17日(水)〜23日(火)
髙島屋大阪店美術画廊
大阪市中央区難波5-1-5
06-6631-6382

ガス窯や電気窯で焼くのが陶芸界の主流になってきているが、やきものの原点は薪窯にある。薪窯に焦点を絞ることで、薪窯と現代の陶芸について考察する今展は、加藤委氏をはじめとした美濃地域の陶芸家を中心に、全国各地域において薪窯で焼いている9名の作家が出品する。出品作家とその作品は以下のとおり。

伊勢﨑晃一朗《孕(よう)》
高さ20cm 30×25cm


加藤 委《杜ノ木窯焼〆壺》
高さ55cm 35×50cm


加藤亮太郎《ニギミタマ I》
高さ43cm 径43cm


川端健太郎《送門始盌》
高さ7cm 13×15cm


鯉江 明《常滑山土壺》
高さ43cm 53×54cm


下沢敏也《焼〆烈紋長花生》
高さ37cm 12×13cm(左)、
《渾》高さ12cm 13×11cm(右)


鈴木伸治《志野茶盌》
高さ11cm 径16cm


田淵太郎《窯変白磁花鉢》
高さ16cm 径41cm


新里明士《plank》
高さ48cm 48×7cm



中村卓夫・牟田陽日展 やきもの・逸脱・リビングルーム

2021年1月14日(木)~24日(日)

和光ホール
東京都中央区銀座4丁目5-11 和光本館6階
03-3562-2111(代表)

《箱をやめたハコ 祈りの舞台》高さ58cm  67×39cm



1945年石川・金沢に生まれた中村卓夫氏は、78年に父である二代目中村梅山に師事。82年名古屋工業試験所瀬戸分室で釉薬を研究し、84年イタリア・国立ファエンツァ陶芸美術学校でアルド・ロンティーニ教授に師事した。焼き締めた素地に金彩や銀彩で象嵌した淋派を思わせる作風は国際的にも高く評価され、ニューヨークのメトロポリタン美術館の永久所蔵品にもなっている。
近年はその象嵌をベースに、空間を閉じることで用をなす器や、閉じていた空間を開くことでつくられた「器ななるコトをやめたうつわ」シリーズを展開しているが、今展はこのシリーズをさらに発展させた作品の発表。

《昼の夢》高さ30cm 70×70cm


同左部分

一方、2008年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアート科を卒業した牟田陽日氏は、12年に石川県立九谷焼技術研修所を修了。手びねりした日常的な器やアートワークに、極細の線ときらびやかな色彩による動植物や神獣それに古典図案などを絵付けした色絵磁器で、12年の伊丹国際クラフト展で優秀賞を、16年には第11回パラミタ陶芸大賞展で大賞を受賞した。本展では、「逸脱・リビングルーム」というキーワードをもとに、ステイホーム中に感じた精神的な揺れを磁器と布地で表現する。
ともに石川に住み、それぞれの九谷焼に挑む、異色の競演。


 

鈴木藏の志野  造化にしたがひて、四時を友とす

2020年12月12日(土)〜2021年3月21日(日)

菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
03-5733-5131

《志野茶碗》高さ12.8cm 13.2×12.2cm 2017年


《志野茶碗》高さ9.7cm 13×12.3cm 2019年


《志野茶碗》高さ9.9cm 13.2×13cm 2019年

1934年岐阜県土岐に生まれ、53年高校の窯業科を卒業後丸幸陶苑に入社。同社研究室に勤務する父親の助手として働くかたわら、志野の陶片を蒐集した。志野は岐阜県の東濃地方で桃山から江戸時代初期にかけて焼かれたやきもので、茶陶や食器などが確認されているが、焼かれたのは20年余りと短かく幻のやきものと言われてきた。昭和初期に陶芸家などによって復興されたが、鈴木氏が窯跡を回り始めた頃はほとんど掘り尽くされており、釉が熔け切れていない生焼けの陶片しか残っていなかった。しかしそれを試作したガス窯で焼いたところ、いい緋色が出ることが判明。当時は登窯でしか焼けないと考えられていた志野をガス窯でも焼くことができることを確信し、以来ガス窯で焼く志野が鈴木氏のライフワークとなった。
66年に丸幸陶苑を退社した鈴木氏は、翌年に最初のガス窯を築き、90年には多治見・虎渓山に巨大なガス窯を築き現在に至っている。桃山期の志野の美しさを見すえながら、独自の改良を加えたガス窯による焼成や釉薬試験を重ねてつくられる鈴木志野は、多彩な装飾表現と釉調の豊かさ、量感に富んだ形の強さを特徴とし、独特の存在感を放つ。現代作家ならではの技術と創造性により、94年には「志野」の重要無形文化財保持者に認定された。
松尾芭蕉の「笈(おい)の小文」より取られた本展の副題は、不易流行を目指した鈴木氏の作陶姿勢を示したもので、未発表作の志野茶碗に加え、花生、香炉、大型作品など約60点の展覧。期間中、展示替えも予定されている。

《志野茶碗》高さ12.5cm 13×13cm 2017年


《志野香炉》高さ29.5cm 21×20.8cm 2017年


《志野茶碗》高さ8.7cm 13.5×12.7cm 2019年

 



特別展 黒田泰蔵

2020年11月21日(土)〜2021年7月25日(日)

大阪市立東洋陶磁美術館
大阪市北区中之島1-1-26
06-6223-0055

《白磁円筒》高さ7.8cm 径9cm
イセ文化基金所蔵
Photograph by T. MINAMOTO
(以下同) 


《白磁割台皿》高さ22.5cm 径35.6cm
2018年 イセ文化基金所蔵


《白磁壺》高さ15.1cm 径16.5cm
2019年 イセ文化基金所蔵


《白磁壺》高さ29.8cm 径12.6cm
2019年 大阪市立東洋陶磁美術館所蔵
(戸田博氏寄贈)


《白磁壺》高さ26.9cm 径21.2cm
2019年 大阪市立東洋陶磁美術館所蔵
(孫泰蔵氏寄贈)

黒田泰蔵は1946年兵庫・西宮に生まれ、63年兄の征太郎を頼って上京。46年パリに渡り、アルバイト先の日本レストランで益子の島岡達三に出会い、陶芸を勧められる。翌年島岡に紹介されたカナダの陶芸家のもとで働き、濱田庄司や河井寛次郎らの作品集に触れる。カナダでは自身のアトリエを設けたが、その間2度ほど帰国して島岡の工房に滞在し、濱田が所蔵する李朝の白磁に出会い、後に白磁に取り組む原点となった。
80年に帰国し、82年初個展を開催。白磁の作品を初めて発表したのが92年で、以後世界的に知られようになった静謐な白磁を追求する。作品は、薄く緊張感のある輪郭線をもちながら、表面には柔らかく美しい弧を描く轆轤目が見られ、見る者にそれぞれの作品の確かな存在感を印象づける。
本展では、イセ文化基金所蔵品と大阪市立東洋陶磁美術館所蔵品を中心に、梅瓶を意識した作品から、轆轤の回転運動をそのままに直線と円とで構成される「円筒」まで、代表作約60点を展示する。

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