華麗なるノリタケの挑戦
オールドノリタケから現代のマスターピースコレクションへ
|
|
茨城県陶芸美術館
笠間市笠間2345(笠間芸術の森公園内)
0296-70-0011
「ノリタケ」の名で世界的に知られるノリタケカンパニーリミテドは、森村市左衛門と豊兄弟が明治初期にはじめた日米貿易を起源とする。1876年二人は、東京・銀座に「森村組」を創業し、同年豊は渡米しニューヨークに友人らと「日の出商会」を設立し、森村組が輸出する日本の骨董品や陶磁器類などの雑貨品の販売を手がけた。1878年豊は独立し、森村組のアメリカにおける販売拠点として「日の出商会モリムラブラザーズ(後のモリムラブラザーズ)」を設立し、陶磁器を主力商品に業績を拡大するとともにオリジナルの陶磁器作りも始めた。
森村組はアメリカでの需要に応えるため、瀬戸の窯元から仕入れた素地に各地の優れた画工に画付けさせた陶磁器を輸出していたが、やがてそのデザインを日本風のものからアメリカ人好みの西洋風へと転換。さらにニューヨークに図案部を新設して日本からデザイナーを送り、現地の流行に直接触れながらデザインを描かせ、それを日本の森村組が製品にして輸出するというシステムを確立した。
こうして事業を拡大した森村組は1904年(明治37)、名古屋の「則武(のりたけ)」の地に、素地の製造から画付けまでを手がける本格的な洋食器の製造をめざした「日本陶器合名会社」を創立して近代的な工場を建設。以後今日まで、地名を冠した「ノリタケチャイナ」は世界中に輸出されるとともに、日本の洋食器産業をリードし続けている。
本展では、株式会社ノリタケカンパニーリミテド(1981年「日本陶器」から社名変更)の特別協力のもと、今日オールドノリタケとして知られる明治~大正期の輸出用の華麗な花瓶や飾皿、そのデザイン画、時代とともに変遷する様々なテーブルウェア、そして現代の粋を凝らしたマスターピースコレクションまで、110年にわたり続けられているその華麗なる挑戦の歩みを、同社所蔵品により紹介する。
<紹介作品はすべて(株) ノリタケカンパニーリミテド蔵>