三輪龍氣生の陶 命蠢く
2021年4月17日(土)〜8月8日(日)菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
03-5733-5131
三輪家は江戸期に始まる萩焼の名家。1940年に生まれた龍氣生(りゅうきしょう)の本名は龍作で、67年東京藝術大学大学院陶芸専攻修了。75 年には退会することになるが藝大修了の年、走泥社同人となる。68年東京・壱番館画廊で初個展「三輪龍作の優雅な欲望展」を、70年には同画廊で2回目の個展「愛液展」を開催した。展示されたのは、生命への喝采、官能の歓び、苦悩、死についての考察、祈りといった人間の本性といえる普遍的なテーマをしたもの。茶の湯の世界で親しまれてきた萩焼の伝統に立脚するというよりも、やきものの既存の概念にとらわれることのない自己を表現する自由な制作を貫き、76・77年にはイタリアのファエンツァ国際陶芸展で受賞した。
2003年に三輪窯の十二代休雪を襲名し、11年には日本陶磁協会賞金賞を受賞したが、19年に家督を弟の和彦に譲って十三代休雪を襲名させ、自身は龍氣生と改号し今日に至っている。十二代時代も絶えることなく制作されてきたのは、彫刻的なアプローチによる頭蓋骨、乳房、苦悶の胸像、鷲ほかで、そこには自身の死生観や憧憬、情念が投影されている。
本展は、人間の根源に迫る三輪龍氣生の陶の造形を、初期の代表作をはじめ、19年の改号後に制作された新作を含む 80 点によって構成されている。
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