林康夫-芸術への希求、陶で挑む
2016年 10月22日(土)〜2017年 2月12日(日)
兵庫陶芸美術館
篠山市今田町上立杭4
079-597-3961
多くのひとびとが陶芸に親しむと同時に若手作陶家に刺激を与えることを目的とした11回目の「著名作家招聘事業」で、戦後いち早く陶のオブジェを手掛けたことで知られる林康夫氏は、88歳になったいまでも京都で意欲的に制作を続けている。
林氏は1947年、前衛的な陶芸を目指した京都の「四耕会(しこうかい)」に創設メンバーとして参加し、翌年オブジェの「雲」を発表。50年には、パリで開催された「現代日本陶
展」に出品した「人体」が高い評価を受け、以来陶によるアートを一貫して追及してきた。60〜70年代には焼締によるフォルムを追求し、80年代初め頃からは錯視(さくし)的な立体を展開。近年では色やモティーフが加えた「寓舎(ぐうしゃ)」シリーズの新境地に至っている。
同展は、戦後の前衛陶芸の先駆けとなった「雲」(1948年)から最新作まで約40点を展観し、林氏が陶で挑んだ芸術の世界に迫る。