曜変天目 瀬戸毅己展
2021年8月4日(水)〜10日(火)三越日本橋本店 美術工芸サロン
中央区日本橋室町1-4-1
03-3274-8472
1958年神奈川・小田原に生まれ、東京造形大学彫刻科を卒業し、愛知県立窯業訓練校を修了。志野や黄瀬戸の研究を経て、96年から青磁や天目に取り組む。目指したのは、東京の静嘉堂文庫美術館が所蔵する「曜変天目」。三代将軍家光の時代、春日局を経て後に淀藩主となる稲葉家に伝えられたことにより「稲葉天目」と呼ばれる曜変茶碗だ。
曜変天目の輝きに魅せられてその美しさの再現を求め、産地と言われている中国・福建省の建窯の土を取り寄せて焼くなど気の遠くなるような研鑽を積み重ね、現在では曜変天目作家を代表するひとりとなっている。同店で初の個展となる今回は、国宝の天目茶碗写しの領域を超え、自身が追い求める「瀬戸天目」の展覧となる。
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佐伯守美陶芸展
7月29日(木)〜8月8日(日)和光ホール
東京都中央区銀座4丁目5-11 和光本館6階
03-3562-2111(代表)
1949年栃木に生まれ、75年東京藝術大学工芸科陶芸専攻を卒業し、サロン・ド・プランタン賞受賞。77年同大学大学院陶芸専攻修了し、修了制作が同大学買上げとなる。81年栃木県芳賀町の御料牧場の近くに窯を築き、現在に至る。
木々の姿を象嵌で表現する「樹木文象嵌」という独自のジャンルを確立し、89年栃木県文化奨励賞、91年伝統工芸新作展東京都教育委員会賞、2002年益子陶芸展審査員特別賞、07年新作陶芸展日本工芸会賞をそれぞれ受賞し、現在は日本工芸会正会員、日本陶芸美術協会常任幹事。
1991年より同ホールで個展を開催し、10年ぶりとなる本展は、壺や花瓶から日常の器まで、200点以上の展覧となる。
なお、7月31日(土)の 14時からギャラリートークを予定しており、席の予約を受け付け中。
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三輪龍氣生の陶 命蠢く
2021年4月17日(土)〜8月8日(日)菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
03-5733-5131
三輪家は江戸期に始まる萩焼の名家。1940年に生まれた龍氣生(りゅうきしょう)の本名は龍作で、67年東京藝術大学大学院陶芸専攻修了。75 年には退会することになるが藝大修了の年、走泥社同人となる。68年東京・壱番館画廊で初個展「三輪龍作の優雅な欲望展」を、70年には同画廊で2回目の個展「愛液展」を開催した。展示されたのは、生命への喝采、官能の歓び、苦悩、死についての考察、祈りといった人間の本性といえる普遍的なテーマをしたもの。茶の湯の世界で親しまれてきた萩焼の伝統に立脚するというよりも、やきものの既存の概念にとらわれることのない自己を表現する自由な制作を貫き、76・77年にはイタリアのファエンツァ国際陶芸展で受賞した。
2003年に三輪窯の十二代休雪を襲名し、11年には日本陶磁協会賞金賞を受賞したが、19年に家督を弟の和彦に譲って十三代休雪を襲名させ、自身は龍氣生と改号し今日に至っている。十二代時代も絶えることなく制作されてきたのは、彫刻的なアプローチによる頭蓋骨、乳房、苦悶の胸像、鷲ほかで、そこには自身の死生観や憧憬、情念が投影されている。
本展は、人間の根源に迫る三輪龍氣生の陶の造形を、初期の代表作をはじめ、19年の改号後に制作された新作を含む 80 点によって構成されている。
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