特別展 茶の湯 in 東京国立博物館 平成館 2017

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特別展 茶の湯

2017年 4月11日(火)~6月4日(日)

東京国立博物館 平成館
台東区上野公園13-9
03-5777-8600(ハローダイヤル)

1980年同館で開催された「茶の美術」展は、名家秘蔵の茶道具を日本の美術としてとりあげた。それから37年後の本展は、日本文化の象徴である「茶の湯」を21世紀の眼をとおして、次の5章に分けてたどるもの。足利義政、織田信長、千利休、松平不昧など、天下の武将や茶人たちが手にした国宝級の中国、朝鮮、それに国焼の名碗が奇跡的に一同に会す。

重要文化財 「黒楽茶碗 銘 ムキ栗」 (長次郎 安土桃山時代・16世紀) 文化庁蔵


重要文化財「粉引茶碗 三好粉引」(朝鮮時代・16世紀)東京・三井記念美術館蔵


国宝「油滴天目」(中国・建窯 南宋時代・12~13世紀)大阪市立東洋陶磁美術館蔵


重要文化財「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」(中国・龍泉窯 南宋時代・12〜13世紀)東京国立博物館蔵


重要文化財「灰被天目 銘 虹」(元~明時代・14~15世紀)文化庁蔵


国宝「志野茶碗 銘 卯花墻」(美濃 安土桃山~江戸時代・16~17世紀)東京・三井記念美術館蔵

○第1章 足利将軍家の茶湯
12世紀頃、中国からもたらされた喫茶法が禅寺や武家に広まるとともに、「唐物」も飾られるようになった。15世紀頃には最高級の唐物が足利将軍家に集められ、唐物を愛でる「唐物数寄」の価値観は、のちの「茶の湯」に大きな影響を及ぼす。ここでは、足利将軍家に集められた第一級の名品を中心に、唐物数寄の眼で選び抜かれた作品を紹介。

○第2章 侘び茶の誕生
15世紀末になると町衆が力をつけ、珠光らは唐物を珍重するだけではなく、日常の道具の中からも好みに合ったものを取りあわせるという風潮が生まれた。この「侘茶」の精神は、武野紹鷗らの世代へ広がり、深められた。ここでは、彼らの眼をとおして「唐物」から「高麗物」、「和物」へと変化していく様子を展覧する。

○第3章 侘茶の大成
安土桃山時代、珠光以来の侘茶を受け継いだ千利休は秀吉の茶頭となり、唐物に比肩する侘茶の道具を見いだすとともに新たな道具も創出し、それらを取りあわせて茶の湯の世界に新風を吹き込んだ。ここでは「利休がとりあげたもの」と「利休の創造」をテーマに展示するとともに、利休の精神を受け継いだ茶人、古田織部とその時代に花開いた茶陶を紹介する。

○第4章 古典復興
江戸時代には小堀遠州を中心に、室町以来の武家の茶の復興、千利休の精神を継承した家元の確立、さらに公家の雅な世界をとり入れて新しい風潮の創出する動きなどが生じ、それらが互いに影響を及ぼしあった。 武家の茶を再興し「きれいさび」と称される新たな茶風を確立した小堀遠州にまつわる道具を中心に、松江藩主をつとめ、古典をたどって道具を収集した江戸後期の松平不昧の茶の湯がここでのテーマ。

○第5章 新たな創造
幕末から明治維新の混乱期には、寺院や旧家から宝物や名品が世の中に放出された。畠山即翁、平瀬露香、藤田香雪、益田鈍翁、原三溪らは第一級の茶道具をとりあげ、伝統を重んじながらも新しい価値観で新しい時代の茶の湯を創りあげた。本展最終章のここでは、関西と東京でそれぞれ名を馳せたこの5人の数寄者(趣味人)をとりあげ、それぞれの茶の湯とその美学を展観する(畠山即翁は全期、平瀬露香、藤田香雪、益田鈍翁、原三溪は各2週ごと)。詳細は展覧会公式サイトへ。http://chanoyu2017.jp/

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