中村康平 思考の器 鑑賞編
2025年4月16日(水)〜21日(月)
三越日本橋本店 美術画廊
中央区日本橋室町1-4-1
03-3274-8472
1948年中村梅山の三男として金沢に生まれ、73年多摩美術大学彫刻科を卒業。79年文化庁第1回国内研修員に選ばれ、89年八木一夫賞’89現代陶芸展グランプリ受賞。
バロックを題材にしたデコラティブなオブジェ作品を制作し、ニューヨークの画廊と契約するなど国際的に高い評価を得たが、ある時期を境に長次郎の写し茶碗や骨董感覚の高麗茶碗の制作に切り換え、現在に至る。茶道としての茶碗を「思考の器」と捉え、長次郎や高麗の茶碗を現代的に捉え直すというコンセプトが貫かれてきた。
そのため、オブジェ的な茶碗はつくられてこなかったが、今展のオブジェ茶碗は古典と対峙ではなく前衛で古典を表現するという発想によって制作されたもので、赤楽、黒織部、綺麗さびの銀彩、長次郎写しが出展される。
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島田恭子作陶展
2025年4月19日(土)〜5月11日(日)
やまに大塚 ギャラリー緑陶里
栃木県芳賀郡益子町城内坂88
0285-72-4789
1954年茨城生まれ。会社勤務を経て78年栃木県立窯業指導所を卒業し、やきものの道を歩み始める。皿や器などに絵付けされているのは四季折々の自然の草花だが、とくに華麗に綿密に描かれている桜文がモチーフの中核となっている。
この時期に毎年開催されるようになった今展では、扁壺、皿、茶盌などに描かれた桜の花が満開を迎える。
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卒寿記念 人間国宝 鈴木藏の志野展
2025年3月29日(土)〜6月1日(日)
岐阜県現代陶芸美術館
多治見市東町4-2-5
0572-28-3100
1934年岐阜・土岐生まれ。多治見・市之倉町の丸幸陶苑に勤務する父の助手として働き、66年31歳で独立。薪窯でしか焼けないとされてきた「志野」にガス窯で取り組み、伝統を大切にしながら独自の作陶スタイルを確立。94年59歳で、荒川豊蔵(1894〜1985)に続き二人目の「志野」における重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
志野は日本で生まれた初めての白いやきもので、長石釉のみの無地志野、下絵付によって鉄絵が施された絵志野、鉄化粧を掛けた鼠志野や紅志野、二種類の土を混ぜ合わせた練上志野などが伝統的だが、氏は現役陶芸家として最長の人間国宝として独自性に富んだ新しくて力強い「志野」に現在も取り組んでいる。
本展は、卒寿を迎えるのを機に、初期から最新作までの作品を一堂に展示し、古典を大切にしながらも氏の美意識を映し出した独自性に富んだ作品を展示するもので、その軌跡と「今」が示される。
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美の予感2025-Transposition-
- 東京展
2025年3月12日(水)〜17日(月)
髙島屋日本橋店本館6階美術画廊
03-3211-4111 - 大阪展
2025年3月26日(水)〜31日(月)
髙島屋大阪店6階美術画廊
06-6631-6382
- 名古屋展
2025年5月7日(水)〜13日(火)
ジェイアール名古屋タカシマヤ11 階 美術画廊
052-565-1101
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- 京都展
2025年5月28 日(水)〜6月2日(月)
髙島屋京都店6 階 美術画廊
075-221-8811
- 京都展
日本の工芸は、機能性や質の高い技術に基づいた精緻かつ優美な造形によって、世界的な評価を受けるようになった。また、国際化や現代アートとのクロスオーバー化が進み、新たな感性によるコンセプチュアルな作品が現れるなど進化が持続している。
今展出品の8 名の作家は、自身の選んだ素材の持つ可能性を信じ、創造的意識と探求心から導きだした創意を磨き上げてきた技術によって作品化し、それぞれに独自の世界を表現している。作家の手を介し、素材から作品へと転位する創作行為は、物質と身体、ものの在り方など、多くの示唆に富んだ視点を提示している。
本展は髙島屋美術部が、次世代の活躍を期待する作家を採り上げたシリーズ企画のグループ展で、今回が8回目となる。出品作家は、井上魁、隗 楠、田中里姫、時田早苗、平尾祐里菜、むらたちひろ、山本真実江、亘章吾の8氏。
菊池コレクション 現代陶芸のすすめ
2025年1月18日(土)〜5月6日(火)
菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
03-5733-5131
陶芸には、日用陶器や茶陶をはじめとする道具としての器に加え、陶芸の素材、技法、伝統などを独自の視点でとらえたオブジェ的な造形作品も存在する。個人作家によって展開された、器の用途や機能ではない多様な現代陶芸のその未知なる思考と美意識などに魅了されたのが当館設立者の菊池智(1923~2016)で、20世紀後半以降の日本の現代陶芸作品を精力的に蒐集してきた。
1983 年には、自身のコレクションによる展覧会「Japanese Ceramics Today(現代日本陶芸展)」を、ワシントンのスミソニアン国立自然史博物館のトーマス・M・エバンスギャラリーで開催。日米の貿易摩擦が大きな問題となっていたときではあったが、当時40代から50代であった作家たちの作品を中心に構成され日本の同時代の文化を紹介する展覧会は受け入れられ、その後菊池が文化事業に注力していく契機ともなった。
本展は、同展に出品された作品をはじめ1970年代から80年代の作品が出品されており、その時期の現代陶芸の展開がリアルに示されている。
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